| 1.浮世絵
■ 奥村政信《美人と鶏》・・・『汗になる鳥に悋気の夫婦徒』(湯上りの女が番う雄鶏・雌鶏を妬いてまた汗が出る)といった説明があったが、本当かな。あぶな絵を描く口実ではないのか。西洋でも裸体を書く口実にヴィーナスが使われていた。
■ 鈴木春信《持統天皇》・・・よく知っている和歌が出てくるとうれしい。「春すぎて 夏來にけらし白妙の衣ほすてふ天のかぐ山」という小倉百人一首。洗濯中の女性で見立て。
■ 北尾重政《東西南北美人・西方乃美人 堺町橘屋内三喜蔵,天王寺屋内松之丞》・・・なかなか美しい。黒い色は良く残るのでアクセントになっている。
■ 喜多川歌麿《當時全盛美人揃・瀧川》・・・美人!
■ 喜多川歌麿《當時全盛美人揃・若松屋内若鶴》・・・これも美人!!
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東洲斎写楽《二代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草》・・・「花菖蒲文禄曽我》に基づく作品。細面の「やどり木」とぽっちゃりとした「若草」の対比が面白い。
■ 東洲斎写楽《橘屋中車・三代目市川八百蔵の八幡太郎義家》・・・なんといっても目つきがユニークである。
■ 礫川亭永理《蚊帳の内外》・・・色気のある柱絵。蚊帳の描き方が巧い。
■ 葛飾北斎《草刈の帰途》・・・牛に乗って帰る少年。のんびりとした田舎の風景。
■ 歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人・入雲龍公孫勝》・・・激しい武者絵。
■ 歌川国貞(三代豊国)《江戸名所百人美女・御殿山》・・・美人はいつ見てもよいが、行水はなおのこと。
■ 葛飾北斎《冨嶽三十六景・甲州石班沢》・・・藍の発色が非常に素晴らしい。これに再見するだけでも東博に来た甲斐がある。
■ 葛飾北斎《冨嶽三十六景・甲州犬目峠》・・・色彩のある富士の絵もまた良し。
■ 喜多川歌麿《美人見立曽我の対面》・・・父の仇工藤祐経を討たんとする曽我十郎・五郎兄弟は、富士の裾野での祝宴の席で初めて仇に対面した。兄十郎は、仇討ちに逸る弟五郎を戒め、じっと堪えた。工藤祐経は「「時節がきたならば潔く討たれよう」と、兄弟に狩り場の通行手形を投げ与え、再会を約した。
■ 鳥居清長《橋下の涼み舟》・・・風にそよぐ舳のすらりとした八頭身美人の袂と鰹をさばく男が良い。千葉美術館の「鳥居清長展」でボストンの同じ作品を見たばかりの作品である。こちらの摺りも秀逸。ただしなぜかタイトルが違っている。ボストンの題は《吾妻橋下の涼船》。千葉氏美術館で浅野秀剛氏の講義が会った際に、「外国の美術館に収蔵されているものが多い清長の作品のタイトルはどうやってつけるのか?」と質問したところ、「研究家の平野氏の意見に従っている。」との回答だった。しかしこの通り、千葉と東京とでタイトルが違っている。東博が千葉に嫉妬してこの作品をわざわざこの時期に出したのでなければいいが。
2.国宝室
■ 京都神護寺《山水屏風》・・鎌倉時代のもっとも古いやまと絵。緑色が美しいぃが、薄暗い部屋なので単眼鏡でヤット細部がわかる程度まで変色している。現在の技術では、修復ということはできないのだろうか?
3.禅と水墨画
■ 伝周文《四季山水図屏風》・・・室町時代のすばらしい水墨画。景色にくらべ人間が小さく描かれており、自然の雄大さが強調されている。
4.屏風
■ 英一蝶《雨宿り図屏風》・・・雨宿りの絵は身分を超えた絶好の民俗画。
■ 不詳《南蛮人渡来屏風》・・・洋犬や黒人もしっかり描かれている。美しい色彩が残った優品。
5.書画の展開
■ 長谷川等伯《伝名和長年像》・・・素晴らしい作品。
■ 与謝蕪村《新緑杜鵑図》・・・懐かしい日本の情景が、ほんわかとした緑で表現されている。
■ 谷文晁《彦山真景図》・・・これは浦上玉堂を彷彿とさせる迫力ある絵。福岡県と大分県にまたがる英彦山(ひこさん)。修験道の聖地として名高い。
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